アブストラクト(40巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 腹腔内への肺の脱出を認めた外傷性横隔膜破裂の1例
Subtitle : 症例
Authors : 吉留克英, 竹中博昭, 岩瀬和裕, 黒住和史, 西村好晴, 大嶋仙哉
Authors(kana) :
Organization : 社会保険紀南綜合病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 4
Page : 560-563
Year/Month : 1992 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 外傷性横隔膜損傷においては, 臓器のヘルニアを伴う場合, 脱出臓器の診断の困難性が問題として残されている. 臓器としては, 腹腔内臓器の胸腔内への脱出が報告されている場合が大部分であり, 胸腔内臓器・縦隔内臓器の腹腔内への脱出例の報告は, 心尖部の脱出した1例のみであり, 肺の脱出例の報告はない. 最近われわれは, 慢性閉塞性肺疾患を伴った患者が, 転落外傷にて横隔膜損傷を来し, 長期強制陽圧呼吸管理中肺の腹腔内への脱出を認めた1例を経験したので報告する. 慢性閉塞性肺疾患の合併など, 肺の過膨脹を認める症例に, 外傷性横隔膜破裂を合併した場合には, 肺の腹腔内への脱出もあり得ることも留意する必要がある. 外傷性横隔膜損傷には, 腹腔内臓器の胸腔内への脱出を伴う場合がある. 本邦において, 月岡ら1)の集計による514例についてみてみると, 胃が最も多く292例(56.8%)に認められた. 続いて, 結腸, 大網の頻度が多かった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 外傷性横隔膜破裂, 横隔膜ヘルニア, 肺の脱出
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