アブストラクト(40巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 小児の三尖弁より発生した心臓粘液腫の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 柴田佳久, 小林淳剛, 坂田慶太, 杉村修一郎*
Authors(kana) :
Organization : 豊橋市民病院胸部外科, *藤田学園保健衛生大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 4
Page : 604-607
Year/Month : 1992 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 弁から発生した原発性心臓粘液腫は非常にまれである. 今回, 小児の三尖弁粘液腫を経験した. 患者は6歳の男児で心雑音と失神発作で発症し入院した. 血液生化学検査では異常を認めなかったが, 心臓超音波検査や造影検査にて右房室に三尖弁より発生した腫瘤を認めた. 体外循環を用い, 直視下にて三尖弁中隔尖と腫瘍を摘出した. 腫瘍は18×20×12mm大で, 組織学的にも三尖弁より発生した粘液腫であった. 患児は術後5年を経て現在症状もなく, 腫瘍の再発もみられない. 本例は, 弁より発生した非常にまれな症例で, 手術で切除し得た本邦第1例である. 近年, 心臓超音波検査などの発達により心臓腫瘍の術前診断が容易となり報告が増えてきている. その中で, 粘液腫は比較的多く報告されているが, 弁から発生しているものは非常にまれである. 今回, 6歳男児の三尖弁より発生した粘液腫を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 三尖弁, 失神発作, 小児, 心臓粘液腫
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