アブストラクト(40巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : いわゆる縦隔内solitary fibrous tumorの1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 福島鼎, 山口勉, 武彰, 大原務, 長谷川嗣夫, 望月眞*
Authors(kana) :
Organization : 自治医科大学胸部外科, *自治医科大学病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 6
Page : 978-982
Year/Month : 1992 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は52歳, 女性. 主訴は胸部異常陰影. 胸部X線では右中肺野に10×12cm大の境界明瞭な半球状陰影が認められた. 胸部CT, MRIでは内部不均一の充実性腫瘍で上行大動脈と上大静脈の間に侵入し, 上大静脈を圧排していた. 手術所見では腫瘍は胸腺左葉と連続しており縦隔胸膜, 上大静脈, 左右腕頭静脈とは容易に剥離できた. しかし, 心膜, 上行大動脈とは強固に癒着しており合併切除を必要とした. 組織学的所見では小型紡錘形の腫瘍細胞から成る腫瘍で, 細胞分裂像が多数認められた. vimentin陽性, keratin陰性で, 中皮的微絨毛は認められなかった. 術後に補助療法は行わずに1年2カ月経過したが, 再発の徴候はなかった. 組織学的にはWitkinらが間葉系腫瘍として報告している縦隔原発のsolitary fibrous tumorと酷似していた. 限局性線維性胸膜中皮腫の組織起源については諸説があるが, 近年は中皮細胞由来のびまん性胸膜中皮腫とは異なり, 中皮細胞下の結合組織由来の間葉系腫瘍と考えられている1)~3).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 縦隔腫瘍, solitary fibrous tumor, 限局性線維性中皮腫, 紡錘形細胞型胸腺腫
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