アブストラクト(40巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 疣贅切除及び三尖弁輪形成術による右心系感染性心内膜炎の治療経験
Subtitle : 症例
Authors : 末田泰二郎, 浜中喜晴, 林載鳳, 松本光治*, 岡本光師**, 松浦雄一郎
Authors(kana) :
Organization : 広島大学医学部第1外科, *済生会広島病院内科, **県立広島病院内科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 6
Page : 987-991
Year/Month : 1992 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 覚醒剤常用者に発症した右心系感染性心内膜炎の外科治療例を経験した. 覚醒剤を常用していた25歳女性が黄色ブドウ球菌による右心系感染性心内膜炎を発症した. 右房内に巨大な疣贅を形成し, 三尖弁の高度逆流(4度)を呈していた. 術前40日間に及ぶ抗生物質投与にもかかわらず発熱は続き, 右心不全状態となり, 肝腎機能障害を合併した. 手術は感染疣贅を遊離させないため左大腿静脈及び上大静脈より脱血カニューレを挿入して右心房を切開, 感染性疣贅摘出及び感染壊死組織の付着していた後尖のみを切除してKay変法にて弁輪縫縮を行った. 術後経過は良好で,感染は治まり三尖弁逆流は2ないし3度に減少した. 三尖弁の感染性心内膜炎では人工弁による弁置換術よりも, 疣贅と感染弁のみを切除し弁輪形成術を追加する術式が有用であると思われた. 三尖弁に限局した感染性心内膜炎(Infective Endocarditis, 以下IE)はIE全症例の5~10%1)に見られる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 右心系感染性心内膜炎, 疣贅切除術, 弁輪形成術, 薬物中毒
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