アブストラクト（40巻6号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 根治術後肺静脈狭窄を来した総肺静脈還流異常症の1手術例-吸収性縫合糸使用の問題点- |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 福嶌教偉, 松田暉, 門場啓司, 河本知秀, 澤芳樹, 小林順二郎 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 大阪大学医学部第1外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 40 |
| Number ： | 6 |
| Page ： | 992-995 |
| Year/Month ： | 1992 / 6 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 生後1カ月の下心臓型総肺静脈還流異常症(TAPVD)例に吸収性縫合糸(ポリディオキサノン糸:PDS糸)を用いて共通肺静脈左房吻合術を施行し, 術後3カ月目に吻合部狭窄を来した1例を経験した. 再手術時, 一側肺静脈流入部は瘢痕性に高度狭窄を呈していた. 切除した狭窄部の織学的所見は, 縫合糸のあった部分を中心とした線維化を呈し, 一部肉芽反応様の所見を示した. このことより, 吻合部狭窄の一因としてPDS糸の組織刺激性が考えられ, PDS糸を使用した場合においても, 線維性肉芽を形成し, 肺静脈狭窄を生じ得る可能性があることが示唆された. 総肺静脈還流異常症(TAPVD)の術後肺静脈閉塞(PVO)は臨床的に重要な問題で, これまでその防止のために, 縫合糸や吻合法に工夫がなされてきた. 最近, 吸収性で, 且つ組織刺激性が少ないポリディオキサノン糸(PDS糸)が小児の血管吻合の縫合糸として注目され, 種々の手術に際し用いられる機会が多くなってきている. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 吸収性血管縫合糸, ポリディオキサノン(PDS)糸, 吻合部狭窄, 総肺静脈還流異常症 |
