アブストラクト(40巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁カンジダ心内膜炎の1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 井手博文, 井野隆史, 水原章浩, 山口敦司, 山田茂樹*
Authors(kana) :
Organization : 自治医科大学大宮医療センター心臓血管外科, *自治医科大学大宮医療センター病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 6
Page : 1016-1020
Year/Month : 1992 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は, 53歳, 男性. 弛張熱, 一過性右片マヒ, 口語障害にて近医に入院した. 心臓超音波検査にて僧帽弁前尖に疣贅を認めると共に, 血液培養にて, カンジダを検出し, 僧帽弁カンジダ心内膜炎の診断にて当科入院となった. 肺結核後胸郭形成の既往があり, 低肺機能(1秒量500ml), 低栄養状態であった. 手術は, 体外循環下僧帽弁置換術(SJM 27mm)を施行した. 切除弁疣贅よりCandida albicansを同定した. 術後, 術前より投与していたfuruconazoleによる薬剤アレルギーが出現したが投与中止にて軽快, 退院となり, 現在, 外来観察中である. 真菌性心内膜炎, 特にカンジダ心内膜炎は, 感染性心内膜炎の内, 頻度は0.6%とまれな疾患であるが1), 心臓大血管手術後2)~7)や, 長期中心静脈栄養管理4)5)8)9)及び抗生剤投与4)5)8)10)11)等を起因として発症し, その早期診断の難しい点4)5)8)11)と共に, 外科治療成績, 特に術後再発の多い点2)5)6)8)を含め, 今日においても問題の多い疾患であると考えられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : カンジダ心内膜炎, 僧帽弁置換術, 低肺機能
このページの一番上へ