アブストラクト(40巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肋骨骨折端による院内発生下行大動脈損傷の1例
Subtitle : 症例
Authors : 木川幾太郎, 福田幾夫, 藤井裕介, 山吹啓介
Authors(kana) :
Organization : 筑波メディカルセンター病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 7
Page : 1116-1120
Year/Month : 1992 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肋骨骨折端により下行大動脈損傷を来した1例を報告する. 患者は37歳, 男性. 交通事故による鈍的胸部外傷にて来院した. 胸部X線及びCTにおいて, 両側多発肋骨骨折, 右鎖骨骨折, 両側血気胸, 両側肺挫傷を認めたが, 心・大血管に異常はないものと判断した. 保存的治療を行っていたが, 受傷後10日目, 清拭時の体位変換後に突然左血胸とともにショック状態となった. 緊急手術を施行したところ, 下行大動脈に4mmの裂傷を認めた. 左第8肋骨の鋭利な骨折端がこの裂傷に対応して胸腔内に突出しており, この骨折端による体位変換時の損傷と考えられた. 裂傷部を直接縫合にて修復し救命し得た. 肋骨骨折の骨折端による大動脈損傷の報告は見当らなくまれな症例といえるが, 来院時のCTにて注意すべき所見も認められた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 鈍的胸部外傷, 下行大動脈損傷, 多発肋骨骨折, 肋骨骨折端, 体位変換
このページの一番上へ