アブストラクト(40巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 拡張型心筋症として内科治療中, 徐々に進行したMR, TRに対して二弁置換術を施行した1例
Subtitle : 症例
Authors : 岡村吉隆, 竹内靖夫, 五味昭彦, 鳥井晋造, 森秀暁, 長嶋光樹
Authors(kana) :
Organization : 関東逓信病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 8
Page : 1242-1248
Year/Month : 1992 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 拡張型心筋症(DCM)として内科治療中, 二次性房室弁閉鎖不全症の進行に対し, 人工弁置換術を施行した例を経験した. 症例は58歳男性. 45歳の初回入院時, 心エコー, 心臓カテーテル, 冠動脈造影, 心筋生検で, 弁膜症や冠動脈疾患は否定されDCMと診断された. 以後, 徐脈性不整脈や心室性頻拍, 心不全のため人工ペースメーカーその他内科的に治療されていた. 13年の経過中, MR, TRが二次性に発症し, 徐々に増強した. 心不全のため入退院を繰り返し, 計4回の心臓カテーテル検査でも左室駆出率の低下やMR, TRの増強傾向を認め, 内科治療の限界と判断した. 手術適応に苦慮した末, 症状の改善をはかるため, 二弁置換術を施行した. 術後は胸水貯留などのため3ヵ月の入院加療を要したが以後は順調に経過し, 心拡大も軽減し, 2年を無事に経過している. DCMは心移植の対象となる重症例を除くと内科治療が一般的であり, 本例のように二弁置換術が施行され2年以上も良好に経過した報告は見られないので報告した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 拡張型心筋症, 特発性心筋症, 人工弁置換術, 房室弁閉鎖不全症, 心筋収縮不全
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