アブストラクト（40巻8号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 大胸筋弁縫着充填術にて治癒し得た食道癌根治術後の拇指頭大気管瘻合併膿胸の1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 成田久仁夫, 岩波洋, 池田徳彦*, 左近司光明*, 篠原義智**, 坪井栄孝** |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | （財）慈山会医学研究所付属坪井病院呼吸器外科, *（財）慈山会医学研究所付属坪井病院外科, **（財）慈山会医学研究所付属坪井病院放射線科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 40 |
| Number ： | 8 |
| Page ： | 1254-1260 |
| Year/Month ： | 1992 / 8 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 呼吸器外科領域において有瘻性膿胸は, 治療困難な疾患の1つであったが, 有茎大網充填術の出現以来, 同症を治癒に導くことはそれ程難しいことではなくなった. 但し, 胃切除など開腹手術の既往を持つ場合は本法の適応とならず, その治癒は従来の方法に頼らざるを得ない. 今回食道癌根治術後（胃管再建）の拇指頭大気管瘻合併膿胸に対し, 有茎大胸筋の縫着, 充填被覆と胸郭成形術を行い, 治癒に導き得た症例を経験した. 術後は呼吸補助と創部安静のため, 気管切開孔から左主気管支に31Fr PHYCON tubeを挿管し, 9日間の健側片肺人工呼吸管理を行うと共に, 右主気管支内を持続吸引することで, 気管内分泌物と出血の左肺への垂れ込みを予防した. 術後72日目の気管支鏡では, 縫着筋弁の表面は正常気管粘臓に覆われ, 気管壁への平滑な移行がみられた. 大網充填術を行い得ない有瘻性膿胸症例に対し, 本法は有効な治療手段であり, 試みる価値のある術式と思われる. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 有茎筋肉弁縫着充填, 大網充填, 拇指頭大気管瘻, 開腹手術後 |
