アブストラクト(40巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 嚢胞性縦隔腫瘍の検討
Subtitle : 症例
Authors : 原聡, 廣畑健, 田中順也, 波江野善昭*, 相良憲幸, 安富正幸
Authors(kana) :
Organization : 近畿大学医学部第1外科, *樫本病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 8
Page : 1267-1273
Year/Month : 1992 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 当教室で行った9例の嚢胞性縦隔腫瘍について文献的考察を加えて報告する. 内訳は胸腺嚢腫5例, 奇形腫3例, 心膜嚢腫1例であった. 奇形腫の1例は胸腔内に穿破し胸水の貯留を認めた. 画像上, 胸腺嚢腫では壁の肥厚不整はなく, 内部はwater densityで均一であり, 奇形腫はいずれも嚢胞状奇形腫で, 嚢胞部分と充実性部分が混在し, 壁は肥厚不整を呈した. 組織像も多彩で, Langerhans島を有する膵組織がみられ, 胸水貯留を伴う奇形腫の報告は少なく, 嚢腫の穿破に分泌された膵液が関係するかも知れない. 心膜嚢腫は心横隔膜角に好発し, 発生部位が確定診断に重要であり, 組織所見では中皮細胞が存在する. 縦隔腫瘍は肺癌検診と画像診断の進歩により術前診断が正確になりつつある. 縦隔腫瘍のうち嚢胞性を示すものは, 気管支嚢腫, 胸腺嚢胞, 奇形腫などがある. 24例の縦隔腫瘍摘出術のうち9例の嚢胞性病変を呈する症例を経験し, 文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 嚢胞性縦隔腫瘍, 胸腺嚢腫, 嚢胞性奇形腫, 心膜嚢腫
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