Authors : |
新岡俊治, 今井康晴, 星野修一, 石原和明, 澤渡和男, 寺田正次, 三隅寛恭, 平松健司, 太田淳, 杉山喜崇 |
Abstract : |
Senning手術, Mustard手術後の解剖学的右心室機能不全, 高度三尖弁逆流例4例に対して, 肺動脈絞扼術による左心室トレーニング後にJatene手術を施行し良好な結果を得た. 今回, これら4例のJatene手術に至るまでの血行動態, 心室機能の推移を検討した. 対象は, Senning術後3例, Mustard術後1例で初回手術からそれぞれ4年, 16日, 8年, 7年の経過後, 心不全を呈し, 高度の三尖弁逆流を認めた. Jatene手術を予定し解剖学的左心室のトレーニングのため左開胸による肺動脈絞扼術(以下PAB)を施行した. 全例PABによってLV/RV圧比は9割以上となったが4例中3例に二段階的なPABが必要であった. 全例PABによってLVEFは低下したがLV術壁厚は増加しJatene手術に耐えられた. また, PABによって左房圧は低下し, CTRも縮小した. Jatene手術後にはLVEFも改善し, 拡大した右心室容量と左房圧の正常化, 心拍出量の増加を認め, 術前存在した心房性不整脈(SSS, PSVT)もSenning手術, あるいはMustard手術解除と共に消失した. |