Title : |
経過観察中に形態変化を呈した0-II型食道粘膜癌の1例 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
吉田一成, 井手博子, 鈴木茂*, 村田洋子, 江口礼紀, 林和彦 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
東京女子医科大学消化器病センター外科, *東京女子医科大学内視鏡科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
40 |
Number : |
9 |
Page : |
1744-1748 |
Year/Month : |
1992 / 9 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
食道表在癌の内視鏡診断には, ルゴール染色法や組織生検が一般に併用されている. 最近われわれは経過観察中に著明な形態変化を呈した0‐II型食道粘膜癌の1例を経験した. 症例は59歳, 男性. 主訴は特になく, 他疾患の経過観察中に偶然発見された. 初回内視鏡検査では, 下部食道に約1/3周を占める0-IIc型食道表在癌であった. その際, ルゴール染色と1ヵ所の組織生検を行った. 3週間後の再検査にて病変部は径5mm程のびらん様発赤を残すのみとなっていた. 切除標本の肉眼像では病変の存在部位・範囲は明確に指摘できず, ルゴール染色でもわずかな不染部が下部食道にみられた. 組織所見は正常上皮の中に島状に基底層に癌細胞が認められ1ヵ所に浸潤像をみる0-IIb型粘膜癌であった. その周囲粘膜上皮に細胞の膨化と炎症性細胞浸潤, 表層の剥奪像をみることからルゴール染色などによる外因刺激で上皮の脱落と再生の機序により癌病巣の形態変化が生じたものと考えられた. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
食道表在癌, ルゴール, 食道内視鏡検査, 色素内視鏡 |