アブストラクト(40巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開心術施行時に脊髄硬膜外血腫を合併した1症例
Subtitle : 症例
Authors : 中谷充, 川副浩平, 小原邦義, 小坂井嘉夫, 鬼頭義次, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 国立循環器病センター心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 9
Page : 1764-1766
Year/Month : 1992 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : リウマチ性連合弁膜症と診断された57歳, 女性に開心術施行後, 脊髄硬膜外血腫を合併した. 手術開始から約60時間後に椎弓切除及び血腫除去術を施行したが, Th6以下の完全知覚運動麻痺及び膀胱直腸障害を残した. 本症例の脊髄硬膜外血腫の原因は体外循環の際の抗凝固療法と推測された. 開心術の合併症としての脊髄硬膜外血腫の報告は見当たらず, 極めてまれな症例と考えられ, 術後早期の神経学的検索の重要性を含めて報告した. 開心術後の脳神経合併症として, 脳梗塞及び頭蓋内出血の報告は多いが, 脊髄硬膜外血腫の合併の報告は見当たらない. 著者らは開心術施行時に脊髄硬膜外血腫を原因とする対麻痺を生じたまれな症例を経験した. 発生頻度は低いがその発症早期に対処することにより, 深刻な後遺症を回避できると考えられたため, 術後早期の神経学的検索の必要性を含め報告した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 開心術合併症, 脊髄硬膜外血腫
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