アブストラクト(40巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 閉鎖式僧帽弁交連切開術後20年で発症した収縮性心膜炎の1例
Subtitle : 症例
Authors : 黒田弘明, 田中宜之, 小林哲, 石黒真吾, 佐々木成一郎, 森透
Authors(kana) :
Organization : 鳥取大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 10
Page : 1923-1927
Year/Month : 1992 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 収縮性心膜炎が心臓手術後遠隔期の術後合併症として発症した1例を経験した. 患者は閉鎖式僧帽弁交連切開術(CMC)後20年目に腹水, 下肢浮腫を来し, 軽度のうっ血性肝硬変を呈し, 腹水のコントロールに難渋していた. 心嚢の著明な石灰化, 心臓カテーテル所見より収縮性心膜炎と診断され手術が行われた. 胸骨正中切開, 体外循環standbyにて広範な石灰化心膜を除去することにより心拡張障害が取り除かれ, 術前の腹水, 浮腫は術後2ヵ月で軽快した. 病歴, 手術所見, 組織所見から20年前のCMCに起因した収縮性心膜炎と考えられた. 収縮性心膜炎の原因には多種多様のものがあるが, 最近では結核性のものが減り, 照射後や特発性のものが増加していることに加え, 開心術後に発症するものが問題となっている1)2). この術後合併症とも言える収縮性心膜炎は通常術後比較的早期に発症することが多いとされている3)が, われわれの経験した症例は心臓手術しかもCMCの術後20年を経て発症した極めて遅発性のものであり, 診断に難渋していた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 収縮性心膜炎, 心臓手術, CMC, 術後合併症, 遠隔期合併症
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