アブストラクト(40巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 急性左心不全にて緊急手術を要した左心房内悪性線維性組織球腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 乗田浩明, 樗木等, 戸高浩二, 久納隆一, 吉武清伸, 山田雅彦
Authors(kana) :
Organization : 佐賀県立病院好生館循環器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 10
Page : 1933-1937
Year/Month : 1992 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 左心房に原発した悪性線維性組織球腫の1例を報告する. 症例は59歳, 女性. 急性心不全, 呼吸不全のため緊急入院となった. 入院当日夜, 低酸素, 低血圧によるショックとなり緊急気管内挿管となった. 経食道心臓エコーにて, 左心房内腫瘍と判明し, 直ちに緊急手術を行った. 腫瘍は, 左房後壁及び右肺静脈入口部近傍より発生しており可及的切除した. 術後経過は良好で一旦退院したが, 術後3ヵ月後に残存腫瘍の増大及び腫瘍転移をみ死亡した. 病理診断にて悪性線維性組織球腫の診断を得た. 心臓原発の悪性線維性組織球腫は現在までに29例の報告をみるのみである. 心内腫瘍の診断には経食道心臓エコーが有用であり左房後壁に広く付着する腫瘍を認めたときには悪性腫瘍を念頭に置き積極的な外科治療が重要である. 原発性悪性心臓腫瘍はまれな疾患で, 予後は, 極めて不良である. なかでも心臓原発の悪性線維性組織球腫(Malignant Fibrous Histiocytoma:以下MFHとする)はまれで, これまでに29例の報告を認めるのみである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 悪性線維性組織球腫, 左房内腫瘍, 経食道心臓エコー
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