アブストラクト(40巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 高度肺高血圧症を呈した先天性僧帽弁狭窄症の1成人例
Subtitle : 症例
Authors : 堤泰史, 大橋博和, 村上晃, 藤井奨, 阿部吉伸, 大中正光
Authors(kana) :
Organization : 福井心臓血圧センター福井循環器病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 10
Page : 1946-1950
Year/Month : 1992 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は29歳, 女性. 6歳時, 初めて先天性僧帽弁狭窄症と診断されたが, 放置されていた. 某病院にて手術不可能といわれていたが, チアノーゼ発作が頻発するため当院受診し, 再精査を受けた. DORV, PDA, PLSVCを合併し, 肺体血圧比0.86, 肺体血管抵抗比0.34であり高度肺高血圧を示すものの, まだ手術可能と判断した. 手術は, 経肺動脈的に動脈管を閉鎖し, 更にVSDの閉鎖とSJM25mmにてMVRを行った. 切除した僧帽弁はSupramitral ringを有し, 乳頭筋は2個あるものの内側のものは低形成であった. 術後肺血管抵抗は, 6.6U・m2に低下した. 著者の検索では, 複雑心奇形を合併した本症に対する根治例としては, 本邦では最高齢で且つ極めて珍しい1例と考えられたのでここに報告した. 先天性僧帽弁狭窄症は, 極めてまれな疾患とされ先天性心疾患全体の0.2%前後に発生する1).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 先天性僧帽弁狭窄症, チアノーゼ, 肺高血圧症, 僧帽弁置換術
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