アブストラクト(40巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 一側肺動脈閉塞試験にて700dyne以上の肺血管抵抗を呈した肺癌の外科療法
Subtitle :
Authors : 小池加保児*, 谷田達男, 佐々間勉, 小野貞文, 芦野有悟, 久保裕司, 渋谷丈太郎, 岩淵悟, 藤村重文
Authors(kana) :
Organization : 東北大学抗酸菌病研究所外科, *宮城県立成人病センター呼吸器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 11
Page : 2011-2014
Year/Month : 1992 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺癌外科療法の際, 機能的手術適応を決定する手段として一側肺動脈閉塞試験を施行した. これらの症例のうち患側肺動脈閉塞時, 体表面積当たりの全肺血管抵抗が700dyne・sec・cm-5/M2以上を呈した13症例に外科療法を施行した. 13例の一側肺動脈閉塞試験における成績は, baseline時と閉塞時においてそれぞれ体表面積当たりの全肺血管抵抗は549±82と798±78dyne・sec・cm-5/M2, 肺動脈圧は18.7±3.8と27.2±4.3mmHg, 心係数は2.69±0.36と2.73±4.3L/min/M2であった. 13例中7例に選択的肺動脈閉塞試験を更に施行し, 機能的適応の検討を行った. 肺機能検査上13例中10例に閉塞性障害を認めた. 拡散障害が2例, 拘束性障害が1例あった. 術式は肺葉切除術12例,残存肺全摘除術1例であった. 術後早期死亡例は肺葉切除の2例にみられたが, いずれも術後42及び72病日であり, 術後合併症を直接原因としたものであった. これらのうち1例は, 術後気管支瘻のため結果的に肺全摘術になった症例であった. 術後合併症は12例にみられ, 人工呼吸器による管理を1例に施行した. これらの症例は, われわれのこれまで行ってきた術前評価によると, 機能的適応外と判断される症例であったが, 術後管理技術の向上から, 肺葉切除術は施行し得るとの結論が得られた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 一側肺動脈閉塞試験, 全肺血管抵抗, 高肺血管抵抗, 低肺機能, 術後合併症
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