アブストラクト(40巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 著明な瘤状変化を認めず破裂した胸部下行大動脈瘤の1例
Subtitle : 症例
Authors : 本村昇, 北浦一弘, 白方秀二*, 大賀興一**, 岡隆宏**
Authors(kana) :
Organization : 第二岡本総合病院心臓血管外科, *綾部市立病院心臓血管外科, **京都府立医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 11
Page : 2057-2060
Year/Month : 1992 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 胸部大動脈瘤の径は重要な手術適応決定因子であるが, 今回われわれは, 径4cmで破裂した胸部下行大動脈瘤症例を経験したので報告する. 症例は71歳, 男性. 激烈な背部痛からショック状態となり当院転送. CTと胸腔穿刺にて胸部下行大動脈瘤の破裂と診断したが, 貧血進行無く, 血行動態が極めて安定していたため, 保存的治療を行い, 2カ月後に人工血管置換術を行った. 術中所見により真性動脈瘤の破裂であり, 破裂部の動脈最大径は4cmであることが確認された. 胸部大動脈瘤破裂に対する第一選択は緊急手術が一般的ではあるが, まれには本症例のごとく保存療法可能のものも存在する. また, 瘤径が小さくとも, 破裂の恐れのあることを痛感させられた1例であった. 胸部大動脈瘤の手術適応を決定する上で, その大きさは重要な因子と言われており, 一般には5~6cm以上が手術適応とされている1)2). 今回われわれは, 著明な瘤化を示さず破裂し, 保存的治療の後に待機的に手術し得た胸部下行大動脈瘤を経験したので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 破裂性胸部大動脈瘤, 手術適応, サイズ, 手術時期
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