アブストラクト（40巻11号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 増殖速度が非常に緩徐であった原発性肺平滑筋肉腫の1手術例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 津田透, 松延政一, 松本和也, 根本正, 寺田泰二, 清水慶彦* |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 総合病院健康保険滋賀病院呼吸器センター, *京都大学生体医用工学研究センター人工臓器部門 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 40 |
| Number ： | 11 |
| Page ： | 2066-2069 |
| Year/Month ： | 1992 / 11 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 肺結核腫として5年間長期経過観察が行われていた肺平滑筋肉腫の1症例を経験した. 症例は76歳, 女性. 腫瘍は左S6にあり, doubling timeが計算上約540日と遅い増殖速度であったが, 対側にも同様の陰影を認めたため, 良性腫瘍だけでなく転移性肺腫瘍も疑い開胸生検を行った. 腫瘍は被膜に覆われており, 術中迅速病理診で肺平滑筋肉腫であった. 腫瘍の増殖速度が遅いこと, 高齢であること, リンパ節転移がまれであること, 対側肺にも同様の陰影があること, 部分切除のみでも比較的予後が良好なことより, 核出術のみで手術を終了した. また, フローサイトメトリーによるDNAの解析で, 本症はdiploid patternを示し, doubling timeが長い特徴を裏付けるものと考えられた. 現在, 術側は再発の徴候なく対側の腫瘍に注意しつつ経過観察中である. 辺縁明瞭で増殖速度が遅い腫瘍であっても, 良性腫瘍以外に平滑筋肉腫も考慮に入れなければならないと考えられた. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 肺平滑筋肉腫, doubling time, flow cytometor |
