アブストラクト(40巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 急性心筋梗塞(下壁梗塞)後心室中隔穿孔の1緊急手術治験例
Subtitle : 症例
Authors : 長嶺進, 乾清重, 岡田嘉之, 乙供通稔
Authors(kana) :
Organization : 山形県立中央病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 11
Page : 2070-2074
Year/Month : 1992 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 急性心筋梗塞(下壁梗塞)に伴った急性期の心室中隔穿孔を右室前壁切開のみで閉鎖し, 冠動脈バイパス術を追加して救命し得た症例を報告する. 患者は72歳, 男性. 急性心筋梗塞(下壁梗塞)で他院にて加療中であったが, 梗塞発症1週間後急に状態が悪化し, 当院に搬送されてきた. UCGで後中隔穿孔と診断され, CAGでは右冠動脈と左冠動脈回旋枝が完全閉鎖し, 左前下行枝に90%狭窄があった. 直ちにIABPを入れ, 緊急手術を施行した. 右室前壁を切開して穿孔部をパッチ閉鎖した後, 左前下行枝にバイパス術を施行した. 術後軽度の三尖弁の逆流を生じたが, 術後5日目にIABPを抜去した. 術後の心カテーテル検査では遺残短絡はなく, バイパスグラフトは良好に開存していた. 患者は術後約2カ月で退院した. 右室前壁切開による急性期の後中隔穿孔の手術治験例は極めてまれであると考えられる. 急性心筋梗塞に続発する心室中隔穿孔は重大な合併症であり, 早期手術が唯一の救命手段となることが多い.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 急性心筋梗塞, 下壁梗塞, 心室中隔穿孔, 冠動脈バイパス術
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