アブストラクト（40巻11号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 肺に穿孔し嚢胞内にアスペルギローマを合併した縦隔奇形腫の1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 小林利子, 山本弘, 大塚十九郎, 井村价雄 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 都立府中病院胸部外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 40 |
| Number ： | 11 |
| Page ： | 2091-2094 |
| Year/Month ： | 1992 / 11 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 縦隔成熟奇形腫は ,隣接臓器への穿孔を合併することがよくあり, 穿孔合併という観点からの報告例が多い. 今回著者らは, 縦隔成熟奇形腫が, 肺・気管支に穿孔し, その嚢胞内にアスペルギローマを形成した, まれな1例を経験したので報告する. 症例は48歳, 女性. 咳嗽と喀痰を主訴に来院し, 胸部X線写真上アスペルギローマを疑い, 手術を施行した. 術中所見にて, 縦隔奇形腫が右肺S3に穿孔し, 肺内の腫瘍嚢胞内にアスペルギローマを形成したものと診断した. 手術術式は, 縦隔腫瘍摘出術と肺内の腫瘍嚢胞壁の切除及び嚢胞内への流注気管支の縫合を行った. 術後2年4カ月経過の現在も, 縦隔奇形腫及びアスペルギルス症ともに再発はない. 縦隔奇形腫は, 比較的発生頻度が高く, 全縦隔腫瘍の約25%を占める. そのうち90%以上が良性の成熟奇形腫であるが, 他の良性腫瘍に例をみない隣接臓器への穿孔例が多く報告されている. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 縦隔成熟奇形腫, 奇形腫の穿孔, アスペルギローマ |
