Abstract : |
原発性肺癌の25例に, 11C-メチオニンを用いたpositron emission tomography(PET)による縦隔リンパ節転移の診断を行い, 摘出標本での結果と比較しその有用性を検討した. 縦隔リンパ節における11C-メチオニンの集積はdistribution absorption ratio(DAR)で表現し, 転移診断の判定基準値を検討した. 検査対象となったリンパ節群は107群で, 転移陽性リンパ節群のDARは3.89±0.44(平均±S.D.,n=28), 転移陰性リンパ節は2.38±0.75(n=79)で両者間に有意差を認めた(p<0.001). Sensitivity及びspecificityから検討した最適診断基準となるDAR値は3.3であり, そのsensitivityは100%, specificityは89.3%, overall accuracyは90.7%であり, 扁平上皮癌では腺癌よりも高い診断率が得られた. このように, 11C-メチオニン用いたPETによる縦隔リンパ節転移診断は, 従来の形態に基づく診断とは異なり, アミノ酸代謝から診断する新しい方法であり有用であることが示唆された. |