Title : |
鈍的外傷による弓部大動脈切迫破裂の1治験例-逆行性全身循環法を用いた手術- |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
岡本浩*, 佐藤浩生*, 沢崎優**, 松浦昭雄**, 保浦賢三** |
Authors(kana) : |
|
Organization : |
*市立四日市病院胸部外科, **名古屋大学医学部胸部外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
40 |
Number : |
12 |
Page : |
2217-2221 |
Year/Month : |
1992 / 12 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
鈍的外傷に伴う胸部大動脈破裂は大部分が左鎖骨下動脈直下の下行大動脈狭部に発生し, 極めて死亡率が高い. 最近, われわれは本症としては稀なタイプの腕頭動脈起始部に近い大動脈弓部後壁に破裂を生じた1例を経験した. 症例は交通外傷にて前胸部を打撲した18歳男性で, 来院時わずかな皮下出血を認めたのみであった. 胸部単純写真で上縦隔の拡大があり, Digital subtraction angiographyにて腕頭動脈と左総頸動脈の間に造影剤の漏れを認め診断を確定した. 手術では術中エコー法により腕頭動脈起始部より弓部にかけて後壁に3cmの内膜亀裂と仮性動脈瘤を認めた. 超低体温(20℃)逆行性全身循環のもとに腕頭動脈とその起始部付近の弓部大動脈壁を人工血管で置換した. 逆行性全身循環は中心静脈圧を30mmHg程度に保つように送血し(約600ml/分)110分に及んだが, 術後の覚醒は良好で肝腎機能にも異常はみられなかった. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
外傷性大動脈破裂, 弓部大動脈瘤, 逆行性全身灌流法 |