アブストラクト(40巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 先天性僧帽弁閉鎖不全を伴った生後3ヵ月児に対する人工弁置換術の1例
Subtitle : 症例
Authors : 鈴木直人, 高梨吉則, 徳弘圭一, 吉原克則, 塩野則次, 小松壽
Authors(kana) :
Organization : 東邦大学医学部胸部心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 12
Page : 2222-2226
Year/Month : 1992 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 動脈管開存症を伴った先天性僧帽弁閉鎖不全症に対し, 生後1ヵ月時に動脈管結紮術を施行した. しかし, 哺乳力低下, 多呼吸のため再入院となり, 進行性の心不全のため気管内挿管, 人工呼吸器管理が必要となった. このため心臓カテーテル検査は省略し緊急的に生後3ヵ月時, 19mm SJM弁による僧帽弁置換術を施行した. 弁は低形成で, 弁葉はゼラチン様変性を呈し, 腱索の短縮を認めたため弁形成は困難と考え人工弁置換術を選択した. 術後はワーファリンとジピリダモール併用による抗凝固療法を行った. 現在, 心不全症状はなく外来通院中である. なお, 本症例は本邦における僧帽弁置換術最年少成功例と考えられる. 乳児期における僧帽弁置換術症例の報告は近年増加傾向にあるが, 1歳未満乳児期僧帽弁置換の報告はいまだ少なく, その手術成績も満足すべきものではない1)2). また, 機械弁か生体弁のどちらを選択するか, 術後の抗凝固療法の方法に関してもいまだ議論のあるところである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 先天性僧帽弁閉鎖不全, 僧帽弁置換術, 乳児期
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