アブストラクト(40巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 総動脈幹症(I型)と誤認した左冠動脈肺動脈瘻を合併するファロー四徴症(TOF), 肺動脈閉鎖(PA)の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 鈴木和彦**, 松井道彦**, 中村譲*, 黒澤博身**, 小川潔***, 星野健司***
Authors(kana) :
Organization : *埼玉県立小児医療センター心臓血管外科, **東京慈恵会医科大学心臓外科, ***埼玉県立小児医療センター循環器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 12
Page : 2252-2257
Year/Month : 1992 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 術前診断が総動脈幹症I型, 肺動脈狭窄症, Major aortopulmonary collateral arteries(MAPCA)であった症例に対し, MAPCA結紮術後二期的に心内修復術を行った. しかし術中, 症例は左冠動脈肺動脈瘻を合併するファロー四徴症(TOF), 肺動脈閉鎖(PA)の誤認であったことが判明し, これに対して弁付きグラフトを用いたRastelli術を施行した. 本症例の第1の問題点は, 肺動脈閉鎖に連続性心雑音が聴取された場合の鑑別診断である. 第2点はMAPCA結紮後, その灌流領域が肺梗塞となってしまったことである. 以上, (1)術前, 総動脈幹症と誤認した左冠動脈肺動脈瘻を合併するTOF, PAの1例を経験した. (2)MAPCAの外科処置に際してはdual blood supplyか否かの術前評価が必要不可欠である. 更に, Noncommunicated systemic collateralであるMAPCAに対してはUnifocalizationを行うことが望ましい.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Tetralogy of Fallot, Pulmonary atresia, Coronary artery-pulmonary artery fistula, MAPCA, Continuous murmur
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