アブストラクト(40巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 3回の上大静脈系血行再建を要した線維性縦隔炎の1例
Subtitle : 症例
Authors : 福島鼎*, 長谷川嗣夫*, 大原務*, 武彰*, 山口勉*, 斉藤建**
Authors(kana) :
Organization : *自治医科大学胸部外科, **自治医科大学病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 12
Page : 2258-2261
Year/Month : 1992 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 上大静脈症候群に対して3回の左内頸静脈-右心房バイパスを行った線維性縦隔炎の1手術例を報告した. 症例は32歳, 男性. 主訴は顔面浮腫, 頸部絞扼感で, 上大静脈, 左右腕頭静脈, 左右鎖骨下静脈が閉塞していた. 左内頸静脈-右心房間にePTFEグラフトによるバイパス術を施行し, 症状は軽快した. 組織診断は線維性縦隔炎であったが, グラフト閉塞のため2回の再手術を必要とした. 原因は組織学的には吻合部での線維性組織のグラフト内への侵入と静脈内膜の肥厚, 解剖学的には左内頸静脈の中断により血流量が少なかったためと考えられた. 線維性縦隔炎はしばしば上大静脈症候群を伴う原因不明の慢性疾患である1)2). 上大静脈, 両側腕頭静脈に閉塞が認められた症例に左内頸静脈-右心房バイパス術を行い, 症状は著明に改善した. しかし, 1年後及び1年8ヵ月後にグラフトが閉塞したため2回の再手術を施行した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 線維性縦隔炎, 上大静脈症候群, 内頸静脈バイパス術
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