アブストラクト（41巻1号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 血管輪を伴う右大動脈弓を合併した胸部中部食道癌の1手術例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 中村正治, 宮本幸男, 大和田進, 棚橋美文, 竹吉泉, 森下靖雄 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 群馬大学医学部第2外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 41 |
| Number ： | 1 |
| Page ： | 72-77 |
| Year/Month ： | 1993 / 1 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 血管輪を伴う右大動脈弓を合併した胸部食道癌の1手術例を経験した. 症例は嚥下困難を主訴とする56歳の男性で, 胸部中部食道癌と診断された. 入院時の胸部単純X線写真で右大動脈弓を指摘され, 左開胸下に胸部食道全摘術を施行した. 術中, 右下行大動脈起始部の憩室から分岐し, 食道の後方から左側を上行する左鎖骨下動脈と左動脈管による血管輪を認め, 左動脈管を切離した. 腫瘍は隆起型の低分化型扁平上皮癌で, a2, ly(+), v(-), n3(+), stage IVであった. 縦隔郭清の際には, 右大動脈弓及び血管輪に伴う主要血管の起始異常や迷走・反回神経の走行異常の有無に留意する必要がある. 先天性心疾患を合併しない右大動脈弓は, 無症状に経過することが多く, 胸部単純X線写真で異常陰影として初めて指摘され, 精査の対象となることがある. 今回, 血管輪を合併した胸部中部食道癌に対して, 左開胸により切除した1例を経験したので, 診断及び手術手技上の留意点を中心に報告する. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 胸部食道癌, 血管輪, 右大動脈弓, 左開胸開腹, 右上縦隔リンパ節郭清 |
