アブストラクト（41巻1号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 上大静脈症候群を主徴とした縦隔内腺癌の1例－血行再建における超音波ドプラ法の意義－ |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 山口勉, 長谷川嗣夫, 福島鼎, 武彰, 大木伸一 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 自治医科大学胸部外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 41 |
| Number ： | 1 |
| Page ： | 78-82 |
| Year/Month ： | 1993 / 1 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 症例は46歳男性で, 顔面, 上肢の浮腫のため当院を受診した. 胸部X線写真, 胸部CTで肺, 縦隔に腫瘍は認めなかったが, 静脈造影にて上大静脈, 両側腕頭静脈に閉塞を認めた. 超音波パルス・ドプラ法で両側腕頭静脈に, 特異な一峰性の血流速波形を認めた. 上大静脈, 両側腕頭静脈を切除し, ePTFEグラフトによる血行再建を行った. 切除した上大静脈壁に腺癌の浸潤を認め, 縦隔内腺癌と考えられた. 術後経過は順調で, 静脈造影ではグラフトは良く開存していた. また, 超音波ドプラ法では腕頭静脈血流速波形は正常化していた. 上大静脈症候群に対する静脈血行再建術の前後に超音波パルス・ドプラ法を用いて腕頭静脈血流速波形の比較検討を行い, グラフトの開存状態の観察にも有用な所見を得たので報告する. 近年, 超音波パルス・ドプラ法の進歩により上大静脈系の各部位での血流速度, 血流速波形が計測できるようになり, 上大静脈症候群の診断, 治療効果の判定にも利用が可能である. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 上大静脈症候群, 静脈血行再建術, 超音波ドプラ法, 腕頭静脈血流速波形 |
