アブストラクト(41巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開心術後抗凝固療法中に発症した急性出血性壊疽性無石胆嚢炎, 胆汁性腹膜炎の1例
Subtitle : 症例
Authors : 寺西克仁, 村瀬允也, 前田正信, 村上文彦
Authors(kana) :
Organization : 大垣市民病院胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 1
Page : 83-87
Year/Month : 1993 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 非胆道系手術後早期に続発する急性無石胆嚢炎はまれな疾患で, 壊疽, 穿孔などの合併症を伴い重篤となり易く死亡率も高いと報告されている. 開心術後に発症した術後無石胆嚢炎の報告例は少ないが, 今回われわれは冠動脈バイパス術後に発症した急性出血性壊疽性無石胆嚢炎を経験した. 症例は心筋梗塞の既往歴のある78歳, 男性で3枝冠動脈バイパス術後に右側腹部痛を訴えた. 腹部超音波, 腹部CTの所見から急性壊疽性無石胆嚢炎, 胆汁性腹膜炎と診断し, 緊急手術を行った. 本症例での成因として術後の胆汁うっ滞, 胆嚢腫大のほか術中人工心肺中の低血圧や術後の低心拍出量による虚血により急性無石胆嚢炎が発症し, 開心術後の抗凝固療法による易出血性のため, 胆嚢内出血を生じ壊疽性胆嚢炎, 穿孔, 胆汁性腹膜炎へと進展したと考えられた. 非胆道系手術後に発症する急性無石胆嚢炎はまれな疾患で, 壊疽・穿孔を合併し易く死亡率も高いと報告されている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠動脈バイパス術, 抗凝固療法, 急性壊疽性無石胆嚢炎, 術後急性胆嚢炎
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