アブストラクト（41巻1号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 全周石灰化上行大動脈症例に対する冠動脈血行再建の経験 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 戸部智*, 中村宏臣*, 中村和夫** |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | *三木市民病院心臓血管外科, **公立御津病院 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 41 |
| Number ： | 1 |
| Page ： | 88-92 |
| Year/Month ： | 1993 / 1 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 上行大動脈に全周性の高度石灰化（Porcelain aorta）を伴った不安定狭心症例に対し左内胸動脈（以下LITA）を用いて冠動脈血行再建術（以下CABG）を行った. 症例は72歳女性で, 大動脈炎症候群の既往があり, 上行・胸部下行大動脈全体に石灰化を認め血管造影にて腕頭動脈が閉塞し, 左前下行枝（以下LAD）が根部にて完全閉塞していた. 不安定狭心症の診断のもとに, 大腿動脈送血, 中等度低体温（直腸温25℃）心室細動下にLITAを用いてLAD seg.8にいわゆるAortic no touch techniqueを用いCABGを行った. 術後グラフト造影にて良好な開存が確認され, 術後経過は合併症無く順調であった. 近年, 冠動脈血行再建術の成績向上に伴って適応症例も全身に高度の動脈硬化性病変を有する高齢者等, 徐々に拡大しつつある. 特に上行大動脈に高度の石灰化を有する症例では, カニュレーション, 大動脈遮断に伴う重篤な合併症を来す危険性があり, また大伏在静脈グラフト（以下SVG）を使用する場合中枢側吻合が困難となるなどの問題点がある. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | Porcelain aorta, CABG, Aortic no touch technique, 内胸動脈 |
