アブストラクト(41巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 右上枝下-下葉区に存在した先天性気管支嚢胞症の1例
Subtitle : 症例
Authors : 打田俊司, 能登啓文, 長嶋光樹, 戸島雅宏, 藤村光夫, 西谷泰
Authors(kana) :
Organization : 富山県立中央病院胸部循環器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 1
Page : 111-114
Year/Month : 1993 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は55歳, 男性. 右肺下葉の異常陰影を初発とし, 最終的に先天性気管支嚢胞症と診断された. 先天性気管支嚢胞は胎生期に何らかの原因により気管支との交通が断たれ, 生後に無菌的に嚢胞を形成するまれな疾患である. われわれの経験した症例における嚢胞の特徴をとらえてみると, 気管支粘膜上皮を伴い線維化病変内の細気管支像との結合を認める病理組織所見と, この成長段階の気管支が嚢胞化し気管支様に存在することを示唆する嚢胞の造影所見などがある. これらの所見は気管支の発育の段階で何らかの影響により成長を中枢側で中断された結果, 嚢胞化が生じたものと言う過去の報告例を画像的に, また, 組織学的に検証し得たものと思われる. 以上のように先天性気管支嚢胞症でも, 嚢胞の造影において気管支状の造影所見を示し, 気管支原性の発生過程を示唆した症例を経験したのでここに報告した. 先天性気管支嚢胞は胎生期に何らかの原因により気管支との交通が断たれ, 生後に無菌的嚢胞を形成するまれな疾患である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 先天性気管支嚢胞症, 先天性気管支閉鎖症, 嚢胞造影, 無菌性嚢胞, 嚢胞造影
このページの一番上へ