アブストラクト(41巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胸腺カルチノイド内にみられた悪性線維性組織球腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 一万田充俊*, 船田幸宏*, 岡田秀司**, 近間秀樹**
Authors(kana) :
Organization : *大分市医師会立アルメイダ病院胸部外科, **大分医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 1
Page : 131-134
Year/Month : 1993 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は68歳, 女性. 背部痛, 呼吸困難を訴え入院した. 胸部X線写真では左中下肺野に小児頭大の腫瘤影を認め, 胸部CT写真では境界明瞭で, 内部は不均一な腫瘍が心陰影を右方に圧排していた. 呼吸困難は腫瘍による心肺の圧排が原因と考え手術を行った. 腫瘍は胸腺左葉に茎を持ち, 胸腺関連腫瘍と考えられた. 摘出固定標本では多分葉状の腫瘍内に黄白色の楔状の部分があり, 病理組織所見や免疫組織学所見より, 多分葉状の腫瘍は胸腺カルチノイド, 黄白色の楔状の部分は悪性線維性組織球腫と考えられた. 縦隔に発生する悪性線維性組織球腫はまれで, 本症例のように胸腺カルチノイド内に悪性線維性組織球腫が共存した症例の報告はなく, 本邦最初の報告と考えられた. 悪性線維性組織球腫(Malignant Fibrous Histiocytoma:以下MFH)は四肢, 体幹, 後腹膜から発生する軟部悪性腫瘍で, その縦隔発生の報告は本邦では13例1)と少なく, まれである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 胸腺カルチノイド, 悪性線維性組織球腫, 重複癌
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