アブストラクト(41巻1号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 核DNA量解析を補助診断に用いた食道平滑筋肉腫の1切除例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 千葉渉, 小西孝明, 澤井聡, 畠中陸郎, 松原義人, 池田貞雄 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 京都桂病院呼吸器センター |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 41 |
Number : | 1 |
Page : | 140-144 |
Year/Month : | 1993 / 1 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 胃癌切除10年後に発症した食道平滑筋肉腫の1例を経験した. 腫瘍は下部食道に存在し, 強度の食道狭窄を伴っていたが, 粘膜は平滑で浸潤は認めなかった. この症例に対して腫瘍核出術を施行した. 腫瘍は被膜に覆われ, 術中所見では平滑筋腫と思われた. 術後の病理組織学的検討では紡錘型の異型細胞と分裂像から平滑筋肉腫と診断された. 本腫瘍に対して核DNA量解析を施行したところDNA Indexは0.9及び1.48であり, DNA aneuploidyと判断した. 鑑別困難な平滑筋肉腫と平滑筋腫の診断に核DNA量解析は補助診断法として有用と思われた. 本例は術後1年を経過する現在も再発なく生存中であり, ポリープ型で被膜に覆われた平滑筋肉腫に対する術式は手術侵襲の少ない核出術も考慮すべきと考えた. 食道平滑筋肉腫はまれな疾患であり, その発生頻度は, 全食道悪性腫瘍中0.5%1)といわれている. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 食道平滑筋肉腫, 核DNA量解析, 腫瘍核出術 |