アブストラクト(41巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Aberrant right subclavian artery aneurysmの1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 川人宏次, 安達秀雄, 井野隆史, 井手博文, 水原章浩, 山口敦司
Authors(kana) :
Organization : 自治医科大学附属大宮医療センター心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 1
Page : 148-152
Year/Month : 1993 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 右鎖骨下動脈起始異常を伴った真性動脈瘤の1手術例を経験したので報告する. 症例は77歳, 女性. 主訴は嚥下困難. 大動脈造影で右鎖骨下動脈が4番目の大動脈弓分枝として遠位弓部大動脈から分枝し, その起始部に径8cmの動脈瘤を認めた. 胸骨正中切開, 人工心肺使用体外循環, 選択的脳冷却灌流下に弓部を切開し, 瘤への交通口をパッチ閉鎖した. 右鎖骨下動脈は人工血管を用いて, 上行大動脈に端側吻合し, 中枢側は縫合閉鎖した. 術後は良好に経過し, 術後32日目に軽快退院した. 右鎖骨下動脈起始異常は右総頸動脈, 左総頸動脈, 左鎖骨下動脈に次いで第4番目の枝として右鎖骨下動脈が下行大動脈から分枝するanomalyで, 剖検例の0.4~2.0%1)に認められるが, この異常動脈が動脈瘤を形成することはきわめてまれである. このaberrant arteryは食道の後方をまわって右上肢に至るため, ときとして後方から食道を圧迫して, 嚥下困難いわゆるdysphagia lusoriaを起こすことがある.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 右鎖骨下動脈起始異常, 鎖骨下動脈瘤
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