アブストラクト(41巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 急性広範肺塞栓症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 縄田純彦*, 友澤尚文**, 西田一也**, 森谷浩四郎**, 久松裕二**
Authors(kana) :
Organization : *山口大学医学部, **愛媛労災病院循環器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 1
Page : 153-158
Year/Month : 1993 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 高血圧, 狭心症のため外来通院していた72歳の女性が突然の呼吸困難のため来院した. 胸部X線像では心拡大以外著変なく, 心電図で右心負荷を, 血液ガス分析で低酸素血症, 低炭酸ガス血症, 代謝性アシドーシスを認めた. 緊急肺動脈造影を行い急性広範肺動脈塞栓症と診断し線溶療法を開始した. 4日目に施行した経食道心エコー検査で左主肺動脈に血栓が証明されたため線溶療法無効と判断し, 低心拍出量症候が継続していたので人工心肺下に塞栓摘出術を行った. 術後高度右心不全のため長期の呼吸管理を要したが, 術後1年目の現在経過良好である. 急性肺塞栓症は欧米に比し本邦では比較的まれな疾患とされ, その診断は症状, 所見の非特異性から困難である. 肺動脈血栓の直接証明には肺動脈造影が唯一の方法であったが, 今回著者らは急性広範肺塞栓症に対する線溶療法後に経食道心エコー検査(Transesophageal echocardiography, 以下TEE)で肺動脈血栓を指摘し, 線溶療法無効と判断し外科的血栓摘除術を行い, 救命し得た症例を経験したので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺動脈血栓, 肺動脈造影, 経食道心エコー, 塞栓摘出術
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