アブストラクト(41巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 「分離低体温」逆行性脳灌流法を用いた弓部型解離性大動脈瘤の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 今牧瑞浦*, 中島昌道*, 廣田潤*, 竹内尚志*, 橋本明政**, 小柳仁**
Authors(kana) :
Organization : *済生会熊本病院心臓血管外科, **東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 1
Page : 159-164
Year/Month : 1993 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「分離低体温」逆行性脳灌流法を考案し臨床応用したので報告する. この方法は, 専用の熱交換器にてSVC脱血カニューラからの逆行性送血の血液温を10ないし15℃と十分冷却することにより脳保護効果を高めると同時に, 逆行性脳灌流と併行する大腿動脈送血温は20ないし26℃とし全身超低体温とならないようにし, その弊害である凝固機能異常ならびに術後呼吸不全を防止しようとするものである. 症例は68歳男性で, 弓部型解離性大動脈瘤発症後4週間で手術を施行した. 手術は補助手段としてこの「分離低体温」逆行性脳灌流法を用い, 上行弓部人工血管置換術を施行した. 脳灌流時間125分にもかかわらず, 麻酔からの覚醒遷延や術後不可逆的脳神経症状などなく元気に退院した. この症例では, 内頸静脈圧30cmH2OでSVCカニューラからの送血流量は毎分600cc, 「分離低体温」逆行性脳灌流中の鼻咽頭温は15℃, 直腸温は22ないし24℃であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 分離低体温逆行性脳灌流法, 解離性大動脈瘤, 弓部型解離, 人工血管置換術
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