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急性心筋梗塞に対する初期治療としてSODを静脈内大量投与し, その再灌流障害防止効果の可能性について実験的検討を行った. 成犬22頭を対象として麻酔開胸下に左前下行枝（LAD）#7にカニューラ挿入, 左鎖骨下動脈との間に自己動脈血灌流回路作製. コネクター式電磁流量計でLAD流量を測定. 120分のLAD遮断後, 部分再灌流（Control Flowの25％）を30分行った後, 完全再灌流とした. 経過中Thermographyにより虚血中心領域（温度較差≧2℃）と虚血辺縁領域（温度較差<2℃）を決定し, 各々の局所心機能として経時的にSonomicrometryにより％Segmental Shortening（％SS）, ％Active Shortening（％AS）を測定し, 再灌流時にSOD静脈投与（10万単位/kg）群（SOD群）と対照群（Control群）で比較検討した. 完全再灌流60分後中心領域でSOD群では％SS=-2.8±3.5％, ％AS=29.1±28.4％, Control群では％SS=-8.6±5.6％, ％AS=5.6±9.6％といずれも有意に良好な局所心機能の改善を見た（p<0.05）. 辺縁領域でSOD群は％SS=-3.3±3.3％, ％AS=21.7±22.9％, Control群は％SS=-3.0±3.5％, ％AS=33.8±20.0％といずれも両群間で差は認めなかった. また中心領域と辺縁領域で比較するとControl群では2つの領域間に有意差があったがSOD群では差は認めなかった. 以上から, 急性心筋梗塞モデルでの再灌流時のSOD静脈内大量投与により, 特に虚血中心領域での局所心機能改善効果を認め, 同疾患においてSOD静脈内大量投与が初期治療の一手段となり得ると考えられた. |
