アブストラクト(41巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心内膜床欠損症における重複僧帽弁口の外科治療経験
Subtitle : 原著
Authors : 三隅寛恭, 今井康晴, 石原和明, 星野修一, 澤渡和男, 東舘雅文, 竹内敬昌, 寺田正次
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器小児外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 2
Page : 221-226
Year/Month : 1993 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心内膜床欠損症に伴う重複僧帽弁口の10例に対し手術術式, 及び予後について検討した. 内訳は, incomplete type4例, intermediate type3例, complete type3例であった. 術前検査では, incomplete typeとcomplete typeのそれぞれ1例を心エコー検査で, incomplete typeの2例を左心室造影にて診断し得たが, その他の症例は術中に重複僧帽弁口が診断された. incomplete type4例のうち2例は左房室弁裂隙(cleft)の修復を, 1例は人工弁置換術を行い, 他の1例はcleftを放置した. intermediate typeの1例ではcleftの修復を, intermediate typeの2例とcomplete type全例で, cleftの修復, 弁形成及び亜全周性弁輪縫縮を行った. また, incomplete typeの1例では, 2年後に, complete typeの1例では1年半後に人工弁置換術を施行した. これらのうち, intermediate typeの1例とcomplete typeの2例を失った. この3例はいずれも生後1ヵ月で, 術前状態不良で緊急手術になった症例で, 弁尖の低形成や乳頭筋の付着異常を伴っていた. 重複僧帽弁口を伴うintermediate typeやcomplete typeの心内膜床欠損症では, 弁修復の困難な症例があり, その予後を不良にしている. 一方imcomplete typeの症例では, 潜在性の僧帽弁狭窄症の可能性があり, cleftの長すぎる縫合修復は避ける必要がある.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 重複僧帽弁口, Double-orifice-mitral-valve, 心内膜床欠損症
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