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経時的体重測定により胸部食道癌切除例の術中術後の病態を明らかにし輸液管理の特殊性を検討した. 対象は1989年9月より1991年1月までに切除した胸部食道癌26例で, 全症例で開胸操作を先行し術中には硬膜外麻酔を併用した. 体重測定は, Ted Hoyer社のLIFTERを用い術前, 術後, 第1, 第2, 第3病日に施行し, 一次水分出納は術中, 術後, 第1, 第2, 第3病日に算出, また19例にSwan-Ganzカテーテルによる圧のモニタリングを施行した. その結果, 食道癌手術の術中術後には著しい体重増加を認め, そのピークは第1病日にあり術前に比べ平均約3kg増加しその後漸減した. 体重測定にSwan-Ganzカテーテルによる圧測定を加味することによりこの体重増加はhypovolemiaの時期と一致することがわかった. また単位体重・時間あたりの一次水分出納と単位時間あたりの体重増加率には相関係数0.91の高い相関関係が認められた. 体重の変動と一次水分出納から算出された不感蒸泄は, 平均で術中1.73, 術後（術当日）ほぼ0, 第1～3病日0.35～0.5ml/kg/hrであった. 食道癌術中術後の輸液管理には循環血液量の把握に加え間質の水分の動きを知ることが肝要であり, 体重測定は簡便且つ的確であり輸液管理には有用と思われる. |
