アブストラクト(41巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺動脈絞扼術後に仮性肺動脈瘤を形成した無脾症の1例
Subtitle : 症例
Authors : 江川善康*, 松村長生*, 川人智久*, 大塩猛人**, 桐野有成**, 宮内隆行**
Authors(kana) :
Organization : *国立療養所香川小児病院心臓血管外科, **国立療養所香川小児病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 2
Page : 273-276
Year/Month : 1993 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺動脈絞扼術後に仮性肺動脈瘤を形成した無脾症例に対し手術を行い, 良好な結果を得た. 本邦においてはわれわれが調べ得た範囲では報告例はなく, ここに報告する. 症例は無脾症の女児で, 右胸心・総肺静脈還流異常・完全型心内膜床欠損・修正大血管転位・動脈管開存症を伴っていた. 生後19日目に人工心肺下に動脈管の結紮・総肺静脈還流異常症の根治・肺動脈絞扼術を行った. 術後約5ヵ月目に, 肺動脈造影にて絞扼部の仮性肺動脈瘤を確認した. また, 同部位の感染も伴っていた. 手術は, 表面冷却を併用した超低体温体外循環下に肺動脈再建術を行った. 肺動脈の再建は, 大動脈の直径の約半分になるように肺動脈を端端吻合した. 術後の肺血流は適当で, 経過は良好であった. 肺動脈絞扼後のこのような合併症に対しては, 積極的な検査と治療が重要であると考えられた. 肺動脈絞扼術は, 肺血流の増加した根治術が困難な症例に対して行われている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺動脈絞扼術, 仮性肺動脈瘤, 無脾症, 肺動脈再建術
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