アブストラクト（41巻2号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 心雑音を契機に発見された右室粘液腫の1治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 小野稔, 田所雅克, 小石沢正, 林信成, 池田晃治, 須藤憲一 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 杏林大学医学部胸部外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 41 |
| Number ： | 2 |
| Page ： | 288-294 |
| Year/Month ： | 1993 / 2 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | われわれは心雑音を契機に発見された右室粘液腫の1手術例を経験したので報告する. 患者は生来健康な21歳男性, 検診で心雑音を指摘され, 心エコーにて右室流出路に茎を有し, 収縮期に肺動脈内へ突出する腫瘍が発見された. 右室流出路に切開をおき, septal bandに付着した4×3.7cm, 重さ5gの粘液腫を切除した. 腫瘍の茎は分枝して放射状に心筋内に浸潤していたため, 茎の周囲5mm, 深さ5mmの正常心筋も合併切除した. 穿孔予防のために欠損部はダクロンフェルトを用いたmattress縫合にて閉鎖した. 術後2年半経過するが再発を見ていない. 右室粘液腫は稀な腫瘍で, 本邦で27例, 世界でも70数例の報告を見るにすぎない. 特異的な臨床症状はないが, ほぼ全例に収縮期雑音が聴取されており, 確定診断には心エコーが有効である. 手術予後は良好であり, 肺塞栓症などの合併症を起こす前に可及的に速やかに切除すべきである. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 右室粘液腫, 検診発見, 心筋浸潤, 心エコー |
