アブストラクト(41巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開心術後晩期発症の慢性胸骨骨髄炎・前縦隔膿瘍に対する胸骨全摘及び大胸筋弁充填術による1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 金田幸三, 飯岡壮吾, 河内寛治, 長谷川順一, 近藤禎晃, 北村惣一郎
Authors(kana) :
Organization : 奈良県立医科大学第3外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 2
Page : 295-299
Year/Month : 1993 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は63歳, 女性. 僧帽弁・大動脈弁置換術後30日目に, 悪寒を伴う発熱と創部感染を認めたが局所創処置と抗生剤の投与で軽快治癒退院した. しかし, 約6ヵ月後, 術創部から排膿を伴う瘻孔が形成され, 膿からは前回と同じく黄色ブドウ球菌(非MRSA菌)が検出された. CT検査・瘻孔造影により胸骨骨髄炎・前縦隔膿瘍と診断した. 初回手術から1年目に瘻孔の開窓により炎症症状の鎮静化をはかったが, 改善が得られないため, その1ヵ月後に両側肋軟骨を含めた胸骨全摘術を行い, その欠損部に両側有茎大胸筋弁を充填した. 術後は胸郭動揺のため, 24日間の人工呼吸管理を要したが, 死腔は消失し, 術後2ヵ月目に軽快退院した. 開心術後の胸骨感染・縦隔炎は重篤な合併症であり, 急性期においてはその症状も重く治療は容易でない. 一方, 感染が遷延化すると胸骨骨髄炎・肋軟骨炎を合併するために, 大網や筋肉充填のみでは不十分で, 治療には胸骨及び肋軟骨の切除が必要となる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 開心術後胸骨骨髄炎, 胸骨切除, 筋肉充填術
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