アブストラクト(41巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Behcet病に合併した上行大動脈炎, 大動脈弁閉鎖不全症に対するCabrol法の1例
Subtitle : 症例
Authors : 大音俊明, 高原善治, 須藤義夫, 村山博和, 瀬崎登志彰, 中村常太郎
Authors(kana) :
Organization : 千葉県立心肺センター鶴舞病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 2
Page : 300-304
Year/Month : 1993 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は52歳, 女性. 4年前, 不完全型Behcet病の診断を受け経過観察中であった. 1年前から心雑音を聴取されるようになり, 精査の結果, 大動脈弁閉鎖不全症(AR)と診断された. 大動脈弁置換術(AVR)を予定し心嚢を切開したところ, 上行大動脈基部には浮腫状の変化が生じており弁輪部の軽度拡大も見られ, 上行大動脈炎を合併していると診断した. 単純AVRでは大動脈切開部に仮性瘤を生ずる可能性やvalve detachmentを生ずる可能性が高いと考え, 術式をCabrol法に変更した. 遠位側吻合は健常部にて施行. 術後は炎症反応の再燃があり, ステロイド剤投与によるコントロールを行った. 術後半年を経た現在, 聴診所見, 心エコー所見異常は認めず, 経過は良好である. 本症例のごとく上行大動脈, 弁輪部に炎症所見が強い症例では, 単純AVRではなくCabrol法が適していると考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Behcet病, 大動脈弁閉鎖不全症, 上行大動脈炎, Cabrol法
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