アブストラクト(41巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 食道癌術後の右心機能の評価と右室駆出率測定用Swan-Ganz catheterの有用性について
Subtitle : 原著
Authors : 南谷佳弘, 阿保七三郎, 北村道彦, 橋本正治, 泉啓一, 四釜俊夫, 佐藤弘樹, 島田友幸, 木村圭介
Authors(kana) :
Organization : 秋田大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 3
Page : 396-402
Year/Month : 1993 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 食道癌術後の右心機能を右室駆出率測定用Swan-Ganz catheter, 解析コンピュータREF-1を使用して評価すると共にREF-1の有用性を検討した. 症例は合併症を併発しなかった胸部食道癌8例で, 術前, 術直後, 第1病日朝夕, 第2病日朝夕, 第3病日朝の計7回行った. 測定項目は従来のSwan-Ganz catheterで測定可能な項目に加え, 右室駆出率(RVEF), 右室拡張終期容量係数(RVEDVI)を行った. RVEFは術前術後を通じ約40%で各測定時間に有意差を認めず右室の駆出率は保たれていた. RVEDVIは術前, 93.6±26.3ml/m2, 術直後, 83.6±15.0ml/m2, 第1病日朝, 70.2±10.6ml/m2, 第1病日夕, 95.6±19.4ml/m2, 第2病日朝, 103.2±17.9ml/m2, 第2病日夕, 108.3±14.2ml/m2, 第3病日朝, 112.4±31.0ml/m2であった. そして第1病日朝の値は術前, 第1病日夕, 第2病日朝夕, 第3病日朝の値と比べて有意に低下していた(p<0.05). また, 右室の後負荷である肺動脈圧, 肺血管抵抗の値の推移はRVEDVIの推移と異なっており, 相関関係を認めなかった. 以上の結果から食道癌術後の右心機能は特に合併症が無い限り低下しないことと術後のRVEDVIの変動はおもに右室の前負荷である循環血液量の影響を受けて推移したことが結論として得られた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 食道癌, 食道癌術後管理, 右室駆出率, 右室拡張終期容量係数, Swan-Ganz catheter
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