アブストラクト(41巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 閉塞冠動脈バイパスグラフトの免疫組織化学的検討
Subtitle : 原著
Authors : 笹栗志朗, 細田泰之, 田原稔, 高澤賢次, 渡辺隆, 佐藤健志, 数井学, 忽滑谷通夫
Authors(kana) :
Organization : 順天堂大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 3
Page : 421-426
Year/Month : 1993 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 当科で経験した7例の再手術症例のうち, 4例5本の閉塞大伏在静脈パイパスグラフトを免疫組織化学的に検討し, 静脈硬化病変内の平滑筋細胞とマクロファージの分布を明らかとし, グラフトの閉塞機転を検討した. グラフトは, 術後1年以内に閉塞した早期閉塞群2本と術後6年以上経過した晩期閉塞群3本とに分類し, バイパス前の静脈グラフトとの比較検討を行った. 早期閉塞グラフトでは, 血栓性閉塞を呈し, 内膜は多数の平滑筋細胞の増殖により肥厚していたが, マクロファージは内膜内には存在しなかった. 晩期閉塞群では, いずれも繊維性内膜肥厚により内腔は閉塞しており, 同様に平滑筋細胞の増殖は認めたものの, マクロファージは存在しなかった. グラフト閉塞は, 閉塞時期によりその病理形態を異にしていたが, 内膜肥厚はともに平滑筋細胞の増殖によりなっており, グラフト硬化の一機転と考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠動脈バイパス術, 大伏在静脈, 平滑筋細胞, マクロファージ, グラフト閉塞
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