アブストラクト(41巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 緊急手術を要した心嚢内気管支性嚢腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 野守裕明*, 亀田正*, 小林龍一郎**, 森永正二郎***
Authors(kana) :
Organization : *東京都済生会中央病院外科, **東京都済生会中央病院内科, ***東京都済生会中央病院病理科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 3
Page : 452-455
Year/Month : 1993 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は36歳, 男性. 主訴は前胸部痛と呼吸困難である. 胸部単純写真で心陰影の拡大と気管分岐部の開大を認めた. 心エコーでは心嚢内に存在する単房性嚢腫を認め, 心臓の動きとは同調せず固定されていた. CTでは左心房と椎体の間に径10cm大の嚢腫を認め, 血管造影では左心房を下方に, 右肺動脈本幹を前方に圧排していた. 症状が急激に増悪したため緊急手術を施行した. 右後側方切開で開胸, 心嚢切開し, 嚢腫を切除した. 組織学的には重層線毛上皮, 軟骨, 気管支腺が認められ, 心嚢内気管支性嚢腫と診断された. 文献上の検討では心嚢内気管支性嚢腫は胸部単純写真で心陰影の拡大として認められることが多く, CTあるいはエコーにより診断されることが多い. また, 心房あるいは肺動脈本幹を圧排する心嚢内気管支性嚢腫では, 突然死, あるいは心不全死する危険性が高いので早急の手術が必要である. 心嚢内の気管支性嚢腫は極めてまれであり, 現在までに本邦での3例を含めた17例が報告されているに過ぎない1).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 気管支性嚢腫, 心嚢
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