アブストラクト（41巻3号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 孤立性左心室憩室症の1手術治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 井上智勝, 有光克次郎, 本多正治, 山邊和生, 井町恒雄 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 国立療養所愛媛病院心臓血管外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 41 |
| Number ： | 3 |
| Page ： | 467-473 |
| Year/Month ： | 1993 / 3 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 正中線上の奇形や心内奇形を合併しない孤立性左心室憩室症は極めてまれである. われわれは, 2歳1ヵ月男児の孤立性左心室憩室症に対して, 体外循環下大動脈非遮断下に, 憩室を切除する根治術を施行し良好な結果を得た. また, 憩室の病理組織学的所見は心筋組織が広範な線維性組織におきかわった線維性憩室であった. 心室憩室症の診断には心エコー検査やMRI検査が有用であるが, 術前には心室造影及び冠状動脈造影が必要である. また, 心室憩室症の合併症としては, 破裂, 血栓形成や不整脈などが報告されており, ひとたび起これば重篤で致命的となりうる. ゆえに心室憩室症の治療としては, 外科的に憩室を切除する術式が安全で且つ根治的な治療と考える. 先天性左心室憩室症は極めてまれな疾患でこれまで文献上外国では約100例あるのみである. 今回われわれは胸腹部のmidline defectや先天性心奇形を伴わない孤立性左心室憩室症の1症例を経験し, 体外循環下拍動下に憩室切除術を施行し良好な結果を得たので報告する. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 左心室憩室症, 外科治療, 体外循環, Cantrell症候群, 線維性憩室 |
