アブストラクト(41巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 冠静脈洞心房中隔欠損症の1手術治験例-本邦報告例の検討-
Subtitle : 症例
Authors : 井上智勝, 有光克次郎, 本多正治, 山邊和生, 井町恒雄
Authors(kana) :
Organization : 国立療養所愛媛病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 3
Page : 474-478
Year/Month : 1993 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は29歳, 女性. 主訴は労作時の倦怠感であった. 術前の心エコー検査では右室容量負荷と卵円窩下位部分に7×9mmの心房中隔欠損を認めた. 心臓カテーテル検査では心房間の左右短絡率54%, 肺体血流比2.1を認めた. 卵円孔型ASDの診断下, 開心術を施行した. 体外循環下に右房を切開すると二次中隔に欠損孔は存在せず冠静脈洞開口部が10×10mmと拡大し, かつ左房と交通していることを確認した. 冠静脈洞心房中隔欠損症と診断し, 欠損孔を直接縫合閉鎖した. 術後経過は良好であった. 心房中隔欠損症のなかでも冠静脈洞心房中隔欠損症はきわめて稀な疾患である. 本症の発生学的要因には, 胎生期における共通心房内の一次中隔と左心房静脈間皺壁の発育不全が大きく関与しているものと考えられている. 冠静脈洞心房中隔欠損症(以下coronary sinus ASD)は, 心房中隔欠損症(以下ASD)の中でも極めてまれな疾患である1)~4).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠静脈洞心房中隔欠損症, unroofed coronary sinus, 左心房静脈間皺壁(left atriovenus fold), 左上大静脈遺残
このページの一番上へ