アブストラクト(41巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 体外循環を用い右心房内腫瘍血栓摘出術を行った腎細胞癌の1例
Subtitle : 症例
Authors : 山本典良*, 久持邦和*, 杉山悟*, 中山頼和**, 妹尾嘉昌**, 寺本滋*
Authors(kana) :
Organization : *岡山大学医学部第2外科, **岡山大学医学部心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 3
Page : 492-497
Year/Month : 1993 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 右心房内腫瘍血栓を伴った左腎細胞癌で, 術前に血栓により肝静脈口が閉塞し黄疸を呈した症例に対して体外循環を用い腫瘍血栓摘出術を施行し救命し得た1例を経験した. 症例は68歳, 男性. 腹部膨満感を主訴とし来院し, X線・エコー所見にて上記と診断, 体外循環下に手術を施行した. 腫瘍血栓は右心房にまで達しており, 下大静脈の腎静脈分岐部及び右心房を切開し下大静脈内及び肝静脈内腫瘍血栓を摘出した. 手術時間は8時間55分, 体外循環時間は74分, 出血量は9,500ml, 摘出血栓は全長21.5cm, 重量170gであった. 術前T.Bil17.04mg/dlで術後11.86まで一時低下したが, 再び22.15まで上昇, 血漿交換等を行い軽快した. 術後インターフェロン投与を続けているが, 2年を経過した現在も再発・転移の徴候は認められていない. 腎細胞癌は特異的症状及び自覚症状が乏しく1)~3)発見時すでに遠隔転移や下大静脈内に腫瘍血栓を形成している症例もまれではなく, 予後は一般的に不良4)とされていた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 腎細胞癌, 腫瘍血栓, 右心房, 体外循環
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