アブストラクト(41巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 腎移植術後の狭心症に対し冠動脈再建術を施行した1例
Subtitle : 症例
Authors : 山村光弘, 宮本巍, 村田紘崇, 北井公二, 上田哲也, 和田虎三
Authors(kana) :
Organization : 兵庫医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 3
Page : 503-508
Year/Month : 1993 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は10年前に慢性腎不全に対し死体腎移植術を受けた46歳の女性である. 約10ヵ月前より労作時に胸痛を感じるようになり, 当院第1内科にて入院精査の結果, 陳旧性心筋梗塞及び狭心症(3枝病変)と診断された. PTCAを施行されたが不成功に終わり, 当科へ紹介された. 手術は右冠動脈を右胃大網動脈にて, 前下行枝を右内胸動脈にて, 回旋枝を左内胸動脈にて再建した. 術後経過は順調で移植腎に対する拒絶反応もなく, 術後35日目の冠動脈造影検査で各グラフトは開存していた. 腎移植術後に冠動脈再建術(CABG)を施行した症例は極めてまれであり, われわれが調べ得た範囲では, 本邦においていまだ報告例はみられない. 免疫抑制療法中の外科治療についてはなお不明な点も多く, 今後の課題であると思われる. 腎不全症例においては高血圧, 高脂血症などを合併することから虚血性心疾患の発生も多く, 近年血液透析を受けている症例に対しても積極的に冠動脈再建術(以下CABG)が行われるようになった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠動脈再建術(CABG), 腎移植術後, 両側内胸動脈, 右胃大網動脈
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